廃船費用を払ったのに販売していたら
2015年8月8日 [未分類]先日こんな話しを耳にしました。
「ある販売店に中古艇の買取りを相談したら値がつかないどころか、廃船処理の費用を支払って引き取ってもらった。
ところが後日その船が中古艇として販売されていた。これって詐欺じゃないの?」
お客さんの視点から見ればまさに詐欺に等しい行為だと思いますが、一方でこんな販売店の事情もあることを説明しておきます。
中古艇の査定をする時、まずはモデルと年式などから売る時の相場価格を考えます。
次に整備点検や修理にかかるコストを考えます。最後に自社の利益を考えて買取り価格を決めます。
例えば売る時の相場価格が100万円だとします。
整備点検、修理に20万円、利益を30万円とすれば、買取価格は50万円になります。
しかし、修理に最低でも50万円はかかる。さらに整備中に他にも不具合が出てきそうだ。100万円かけても直るかどうか分からない。
もしかしたら廃船しなければならない、となれば販売店は値をつけられません。
査定のためにエンジンを総点検する?となると査定料に10万円は欲しいところです。理解してくれるお客さんはいないでしょう。
そこで最悪の事態を考えて、廃船費用をもらって時間のある時にコツコツ修理しようと考えます。
冬場の時間がある時を利用して点検して、何とか100万円の部品代で売り物になると思って修理を決意。
販売価格100万円、部品代100万円、冬場の工賃はゼロと考えて、廃船費用としてもらったお金を利益とする。
捨てるくらいならリサイクルになるので、むしろ善行にさえ映ります。そして工賃がゼロというのはなんとも良心的です。
どうでしょうか。お客さん視点の見方とは真逆になってしまいます。
販売店としては、これらの事情をしっかり説明しておくことが大切です。説明をしなければ、転売の事実を知ったお客さんのほとんどは大きな不信感をもってしまいます。
売る側のお客さんは、やはり複数の販売店に相談をしてセカンドオピニオン、サードオピニオンを得ることが大事です。修理の見積もりや利益率は販売店によって千差万別です。
車と比較するとボートの場合はどうしても情報や取り引き件数などが少ないので、その買取りの相場観に大きなバラツキがあることは否めません。